ウムブルフ（左）は走る気満々。併入ながら抜群の手応えでパートナーを圧倒した（撮影・塩浦孝明）（写真：サンケイスポーツ）

　京成杯の追い切りが１４日、東西のトレセンで行われた。美浦では未勝利を勝ったばかりのウムブルフが、抑えきれない手応えで存在をアピール。騎乗したフランシス・ベリー騎手も好感触を得ていた。栗東では朝日杯ＦＳ４着のユウチェンジが鋭い伸びで好気配をアピールした。

　抑えきれないほどの手応えに、あふれ出る若いエネルギーが充満していた。未勝利戦を勝ったばかりの遅れてきた大器ウムブルフが爆発寸前だ。

　「まだ幼いけど、それを除けば乗りやすい。先週よりもいい状態になっていると感じたし、レースに向けて万全だよ」

　騎乗したフランシス・ベリー騎手が若駒の元気の良さに笑顔を見せた。Ｗコースで先輩馬キャンベルジュニア（１６００万下）を半馬身ほど遅れて追走。油断すれば引っ掛かりそうなところを、グッとこらえさせて直線へ。ラスト３ハロン３９秒５−１２秒８（５ハロン６９秒９）を馬なりで馬体を併せたままフィニッシュしたが、追えばはじけそうな雰囲気だった。

　デビュー時から期待の大きかった馬だが、当時は「精神的なバランスが崩れているのが心配だった」と橋本助手。不安が的中して新馬戦は２着に敗れてしまう。そこから陣営が立て直し、３戦目となる前走の内容が圧巻だった。大外枠で最初のコーナーは引っ掛かっていたが、落ち着きを取り戻して直線に向くとあっさり後続を４馬身突き放し、圧勝した。

　橋本助手は「簡単な競馬ではなかったと思いますが、いい内容でしたね」と満足そうな様子だ。さらに「在厩で調整して、幼さも徐々に解消してきました。今回は多少、馬体重が減っていても心配ありません」と成長した姿での走りを楽しみにしている。

　鞍上のＦベリー騎手は年明けすでに４勝を挙げて好調。２０１３年にはこの京成杯を勝ったこともある。「フェイムゲーム！　覚えているよ。メルボルンＣも気にしてみていたからね」と、すっかり日本競馬びいきに。今回も相性のいいレースに意欲満々だ。

　ドイツ語で「大変革」を意味するウムブルフ。昨年、２冠馬ドゥラメンテや年度代表馬モーリスを出したリーディング厩舎から、今年のクラシック戦線に大変動を起こす走りをみせてくれそうだ。　（柴田章利）

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