＜中山金杯＞ダートコースで追い切るツクバアズマオー

　ツクバアズマオーはダートの北Ｃコースで最終仕上げ。北海道滞在以外は主に南Ｗコースで追い切られていたが「最近、Ｗコースの馬場状態が均一ではない」（尾形充師）との理由で、前走（ディセンバーＳ１着）から、このコースを使っている。ゆったり流して４Ｆ５９秒５〜１Ｆ１４秒４。トレーナーは「年末にしっかり追っているから速い時計は要らない。気分よくレースに向かえるような調整」と泰然自若の構えだ。

　コースを選ばず近走は堅実だが、特に中山は【４２２４】と好相性。「メンバー的にも抜けた馬はいなさそうだね」と重賞初戴冠を見据える。来年２月に定年を迎える名伯楽にとって、金杯は８３年にヨロズハピネスで初めて平地重賞Ｖを果たした思い出のレース。「勝てれば一年のスタートとして、最高じゃないですか」と静かに闘志を燃やしていた。

フルーキーは６枠１０番

　中央競馬の幕開けを飾る「第６５回中山金杯」（５日午後３時３０分発走＝中山芝内２０００メートル）の枠順が４日午前、以下のように決まった。

　トップハンデ５７・５キロのＭ・デムーロ騎乗フルーキーは６枠１０番、ルメール騎乗のブライトエンブレムは４枠６番からスタートする。

★ハンデ戦「中山金杯」枠順と斤量と騎手★

【１枠】　１番　ロンギングダンサー　５３　　　吉田豊
【２枠】　２番　スピリッツミノル　　５３　　　酒井
【３枠】　３番　ステラウインド　　　５６　　　蛯名
【３枠】　４番　ネオリアリズム　　　５５　　　戸崎圭
【４枠】　５番　ヤマカツエース　　　５６　　　池添
【４枠】　６番　ブライトエンブレム　５６　　　ルメール
【５枠】　７番　マイネルフロスト　　５７　　　松岡
【５枠】　８番　フラアンジェリコ　　５５　　　柴山
【６枠】　９番　ベルーフ　　　　　　５６　　　Ｆ・ベリー
【６枠】１０番　フルーキー　　　　　５７・５　Ｍ・デムーロ
【７枠】１１番　メイショウカンパク　５３　　　大野
【７枠】１２番　バロンドゥフォール　５４　　　横山典
【８枠】１３番　マイネルディーン　　５４　　　柴田大
【８枠】１４番　ライズトゥフェイム　５６　　　石川

マイネルフロスト（左）はヒューガライゼン、ビルトアゲン（右）と追い切る

＜日刊スポーツ賞中山金杯：追い切り＞



　新春第１弾重賞は、好調厩舎の勢いに乗れ。日刊スポーツ賞中山金杯（Ｇ３、芝２０００メートル、５日＝中山）の追い切りが１２月３１日に東西のトレセンで行われ、マイネルフロスト（牡５、高木）が絶好の動きを披露した。高木厩舎はサウンドトゥルーで年末の東京大賞典を制すなど昨年大ブレーク。上げ潮に乗って、１６年は年頭から重賞Ｖを狙う。

　厩舎の勢いが乗り移っているようだった。ペースが上がった４コーナー。松岡騎手を背にしたマイネルフロストが、中ヒューガライゼン（古馬５００万）、外ビルトアゲン（３歳未勝利）の内に潜る。直線で気合をつけられると一気に加速。外を５馬身、中を大差突き放してフィニッシュした。時計も５ハロン６６秒３−１２秒２と文句なしだ。

　松岡は「いいね。前回も良かったが、今回の方が反応がいい。完調に近い」と太鼓判。高木師も「具合がいいと攻め馬に表れる。分かりやすい馬だね」と目を細めた。以前は休み明けを１度使われると一気に状態が上がったが、最近は良化度が遅く、使われつつジワジワ上向く体質に変わった。今回がたたき４戦目。出来はピークといっていい。

　高木厩舎は１５年最後の統一Ｇ１、東京大賞典をサウンドトゥルーで勝ったばかり。昨年はホワイトフーガのＪＢＣレディスクラシックと合わせ、統一Ｇ１を２勝。全体でもＪＲＡ２３勝、地方３勝の２６勝を挙げ、０７年の初出走から初めて年間２０勝を突破した。今、もっとも勢いがある厩舎の１つだ。松岡も「（高木）先生は器がでかい。レース前にプレッシャーをかけられないから、勝負に向かいやすい」と絶賛。「リラックスした環境で、厩舎の雰囲気もいい」とつけ加えた。

　１６年にさらなる進化が期待される高木厩舎。その勢いをつけるのは、一昨年の毎日杯で厩舎に初の重賞Ｖをもたらしたマイネルフロストだ。【栗田文人】